おそ松さんの面白い考察などまとめ
2015年10月より放送されていたアニメ『おそ松さん』、私も11月からオンタイムで追っていました。今はようやく放送も終わり、じっくりと消化していく期間に入ったかと思いますので、気になった感想・考察記事をまとめます。(随時更新)
★キャラクター論
TV論と被せて、藤津亮太のアニメの門V 第9回「おそ松さん」そのおもしろさはどこから生まれたのか | アニメ!アニメ!
これもTVバラエティとの関係に言及、宇野常寛さんと石岡良治さんによる、月刊カルチャー時評『おそ松さん』 「もはや社会現象化した“覇権アニメ”が内包するテレビ文化の隔世遺伝」(雑誌「サイゾー」2016年4月号掲載)
アイドル論と被せて、西森路代さん 「「おそ松さん」における“素”、そして“背負う” ~ファンは何にハッとさせられるのか 」(テレビブロス平成28年2月27日号掲載)
社会学と被せて、永田夏来さん 「「おそ松さん」の同時代性 ~「いち抜け」をめぐるゲームとしての「おそ松さん」」(テレビブロス平成28年2月27日号掲載)
同じく永田さんの記事
『おそ松さん』は未来の私たちを描いている 「いち抜け」させない/できない6つ子たち - messy|メッシー
「おそ松さん」の爆発的ヒット、3つの理由<あのニュースのホントのところ>永田夏来 - 幻冬舎plus
『おそ松さん』の推し松が、深層心理をえぐる。|ばーむろーる|note
買った本(2015年12月)
2016年は今より現代思想に強くなりたい
暗殺教室 17 (ジャンプコミックス) 終盤に向かっている。今巻も素晴らしいラストでした
おそ松さんの情報掲載誌
Animege(アニメージュ) 2016年 01 月号 [雑誌]
アニメディア 2016年 01 月号 [雑誌](メージュと間違えて買った)
spoon.2Di vol.9 表紙巻頭特集「K RETURN OF KINGS」/Wカバー「おそ松さん」 (KADOKAWA MOOK)
私がその本を買った理由(2015年11月)
購入記録。
職場の先輩が面白いと言っていたので。読み心地が小説みたいでした(魅力の肝が画や台詞よりもストーリーにあるからか)僕だけがいない街 コミック 1-6巻セット (カドカワコミックス・エース)
アニメ化おめでとうございます。大事に育てて後に残る作品にしてほしい僕のヒーローアカデミア 6 (ジャンプコミックス)
おそ松さんのために購入。アニメ誌、読んだことはあっても自分で買ったのは初めてです。貴重な一次資料。Animege(アニメージュ) 2015年 12 月号 [雑誌]
この選書も暗におそ松さんの影響が表れています。男の操 (ビッグコミックススペシャル) ギャグはかくも人生を語り得るのか。
文学フリマ東京前日、アニメイト池袋店へおそ松さんミュージアムに行ったときに。特典でキャラブロマイドもらえた(絵柄はおそ松でした)。巻数は適当。おそ松くん (11) (竹書房文庫) おそ松くん (14) (竹書房文庫)
今年は國分功一郎『来るべき民主主義』も読みましたぼくらの民主主義なんだぜ (朝日新書)
Lifeイベントの帰りに購入。黒幕が紹介されていた現代思想の冒険 (ちくま学芸文庫)
おそ松さんについてのノート2(6話感想)
むつごが愛しい日々です。
6話を見て原作も読もうと決めたので感想メモ。
1話冒頭で「僕たち昭和のアニメだよ? 今更人気…出るかなぁ?」とチョロ松が心配していたけれども、
流行りのアイドルアニメ等に思いきり振り切ったパロディ、不条理ギャグ、人情話等を重ね、キャラを育ててここまでガッチリ人気の地盤を固めた末(カラ松スルーや十四松の卍固めなどすっかり安定した流れできてる感が。二次ではCPの呼称も定着感ありですし)のイヤミ回というのが味わい甲斐あるなと思って見ていました。
象徴的なのが、市役所のシーン。
競馬で負けて文無し状態になったイヤミは市役所に行ってまちのイメージキャラクターとして自分を売り込みに行きますが(この辺はゆるキャラブームを汲んだ流れでしょうか)、
決め技「シェー」を披露するも、スベる。舞台装置としてダヨーンまで使った全力の「シェー」、完膚なきまでにスルーされる。
チョロが心配していた通りに、イヤミは「古き良き昭和」で「過去の遺産」となってしまっていたのでした。
忘れられた名ギャグ、そういう意味ですごく哀れなシーンでもあるはず。でも、そういう風には見せない。これはイヤミ主役回なのです。平成27年のいまを生きる。
6話B「イヤミの大発見」は、「シェー」に限らず「前歯」「自称おフランス帰り(本当は行ったことない)」とイヤミのアイデンティティ(それこそ『おそまつくん』を読んだことも観たこともない私ですら知っているくらいの、強烈なアイコン)がすべて一度失われ、そして生き続ける話でした。そこに愛を感じた。
『おそまつさん』1・2話を観た時に、この「昭和や赤塚作品へのリスペクト」を持ちつつ「いま」を見ているようなバランス感覚が素敵だと感じたのですが、6話まできて、それを再確認しました。
私は「さん」から入った人なので、『おそまつさん』がどんな赤塚スピリッツを継いでいるかについては語れません。
それでも、オタクの心理を掌握した遊ばせ方や、シュールオチ、下ネタなどの冒険、小道具たちが垣間見せる現実ならぬ世界観(スマホや薄型テレビと、黒電話やちゃぶ台の共存など)などで十分に楽しませてもらえている。
そして2話のブラック工場、4話の扶養家族面接や5話ABパートで垣間見えるような毒が、強く効く。
お洒落でポップで楽しくて痛くて優しい、全力でモラトリアムできる『おそまつさん』の世界が愛しいなと思うのです。
この世界が何を描こうとしているのかよく知りたい。じゃあ原作読んでみようか、と。
……にしても、いつから決まっていたのかと突っ込みたくなるタイミングの2クール発表、女子を茶化すように兄弟自ら提案してくるケツとか、ほんっと良いように踊る舞台を用意されてる感がなぁ……!!(楽しいです)